マイスィートアフタヌーン
「ジョンを追うわ。これってきっと天啓なのよ。仕事を失い生活そのものが崩壊寸前、けれど絶対に家に帰りたくはない私に、新たに開かれた道なんだわ。よし!」

「よし……って。ポーリィ?」


「部屋にある荷物をお願いしていい? 手紙も集めて送ってくれる? 部屋代は来週分までは払ってあるわ。だからそれまでに片付けをがんばってね、メアリーアン」


 ぎゅうと握られていた両手は、掴まれたときと同じように大変唐突に離された。

忙しなく動きながらポーリィは、口を動かすのも休みはしない。


財布の中身、内容確認。手帳、めくっては次々指示を出し、いくつもの連絡先を書き写し、
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