青春最強ストレート!
マウンド恐怖症なんですけど。
ぼんやり、その人はグラウンドを見詰めていた。


あたしは彼に声を掛けようと近寄ってみたけれど、彼の表情に戸惑う。


…こんなに暗い顔で野球部の練習を見てる人、今までにお目にかかったことがない。


あたしには気付かず、彼は一心にフェンスにしがみつく。


…見て行きませんか?


その一言が言えず。


そのうちに、彼は踵を返し、あたしは監督と主将に呼ばれ。




だけど、あたしは彼の例えようもなく歪んだ表情と後ろ姿を、忘れることが出来なかった。
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