青春最強ストレート!
「まぁ、このくらいのストレートがあったら十分勝負には使えます…けど…」

言葉尻を濁して、晴海が俺を見た。
「あの…いちいちあの叫ぶのやんないと…駄目かな…?」
取り敢えず気分が良かった俺は、頑張りますよ、と返答した。

だってさ、久々に投げたんだ。
マウンドから、キャッチャーズボックスまで、渾身…まではいかないけど、今の自分に出来る全力のストレートを。

そこで俺は、ようやく帰宅部だったことを思い知る。
「…あ、爪欠けたわ」
伸ばしっぱなし、だったっけ。
< 55 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop