黒王子と銀の姫
すぐ目の前にいるのに、王子は手を差し伸べてはくれなかった。

ソファーに腰掛けたまま、ベッドへ戻れと、あごをしゃくっただけだった。

(特別扱いなんか、してるはずないじゃない)

クリムゾンにからかわれたんだ。

ユーリは床に座り込んだまま目を伏せた。
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