ごめん

俺は毎晩同じバーに通ってる。

理由は1年前、俺を捨てて部屋から出て行った女を探すためと、適当な女と飲んで、寂しさを埋めるため。

だから俺は今日もバーに行く。



「…あ、いらっしゃい。」



いつものように店に入ると、俺はいつもの席に座っていつもの酒を飲み始める。1人、暗く店の隅で。

ここで出会い、俺の部屋に来た女は、大体店に寄り付かなくなる。マスターにすれば迷惑だろう。でも、俺はアイツが見つかるまでは毎晩通う。


悪いな、マスター。


俺は心で謝りながら酒を飲み続ける。


カラン、カラン―

俺は店の扉が開くたびに、入ってきた客を眺め、落胆しては焦り、そんな自分にイライラする。俺には時間がない。だから、早くアイツを見つけ出さないと。

それだけが、俺の頭の中を支配する。
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