『携帯彼氏』の災難!?
あえて明るく聞いてみた。

財布は持っている。貴重品と呼べるのはケータイぐらいだ。

しかし彼女の手には、私のシルバーのケータイが握られている。

「あっあのっ…あのっ!」

…だが、彼女はもう片方の手で、真っ赤なケータイを握り締めている。

「ごっごめんなさいっ!」

そう言って彼女は後ろの引き戸から教室を出て行った。

「…何なんだ? 一体」

私は不審に思いながら、駆け足で自分の机に向かう。

机に手を突っ込み、自分のケータイを取り出した。

そして開けて見る。
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