『携帯彼氏』の災難!?
「ホントに、何でっ…!」

澄夜は言葉に詰まり、泣き出してしまった。

未だにハズミの死が、彼を縛り付けてしまう。

「…携帯電話に、遺言めいた文章があったんです」

しかし澄夜は思い出したように言った。

「『ずっと好きだった。愛してる』と…。義弟はきっと誰かに恋をしてたんです。でもムリだと悲観して…」

…それは、私が見た夢だ。

いや、現実にあったことだったんだろう。

「あなたは知りませんか? 羽澄が誰を愛していたか!」

彼の必死の眼が、怖かった。

けれど…言うつもりは無かった。


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