玩具。
「私は、~君の彼女だけどぉ。あんたこそだれぇ??
は~君のこと慣れ慣れしく呼ばないでくれない~???」
結胡が俺を見る。
その目には涙が溜まっていた。
「ごめん・・・・・結胡・・・・・俺・・・・。」
なにもいってやれなかった。
「酷い・・・・・ひどいよ・・・・春のこと信じてたのに・・・・・・。」
それだけ言うと結胡は店を出て行ってしまった。
俺も店を出た。
「結胡っ!!!!!」
呼んでも結胡は戻ってこなかった。
「酷いよ・・・・・春君。結胡のこと、少しは考えてあげてっ!!!」
瀬戸さんの言うと通りだ。
今の俺は彼氏失格だ。
浮気して、結胡を傷つけて・・・・・・。
「ねぇ、春君。結胡を追いかけてあげて!!」
今の俺に、結胡を追いかける資格なんかない。
「・・・・・・・・いいんだ。瀬戸さん・・・・。」
声に力が入らない。
ダメだ・・・・・。
――パチンッ――
「あんたそれでも男なのっ!?浮気しても別れない限り彼女は彼女でしょ!?
どうせあとから後悔するのよ!だから早く結胡のところに行って!!」
俺の中で、何かが切れた。
「何だよ・・・それ・・・・・」
「え?」
「そんなこと、言われなくても一番分かってんだよ!!今すぐにでも結胡を
追いかけたいよ!でも・・・・今の俺には出来ないんだよ!
結胡をあんなに傷つけたのは俺なんだよ・・・・・。
今のままの俺じゃあ、結胡を幸せにできない・・・・・・。
だから、ちょっとのあいだだけ時間をくれ・・・・。
ちゃんと結胡と話すから。」
「春君・・・・・・・。」
「だから、お願いだよ瀬戸さん。俺の代わりに、結胡のそばに
いてやってくれ・・・・・・・・。」
俺は体全体の力が抜け、その場にしゃがみ込んでしまった。
「分かった。伝えとく。春君の気持ち伝えとくから!だから、
ちゃんと結胡と話して、また前みたいな2人に戻って!」
そういい残して、瀬戸さんは結胡のはしって行った道を追いかけていった。