最後の恋
4章 結婚しない主義
「浅姫。」

直哉が背を向けたまま話し始める。

「ん?」

「結婚したくなったか?」

直哉は私が結婚に憧れていないことは知ってる。

「ならない。」

「そうか・・・」

直哉は、また来た道を戻り続けた。






私は、結婚にあこがれを持ってない。

高校生の時、花嫁のバイトをしたにもかかわらず。

いや、あの時は結婚に憧れてた。いつか、こんな花嫁さんになりたいなって。

高校生ながら、早く結婚したいなって。

好きな人さえ、愛する人さえいれば、

もう何もいらないって思ってた。

でも、現実はそんな甘いものじゃないんだ・・・。

結婚は両家の問題なんだって、私は現実を突きつけられたんだ。










6年前1月。












「父さん、母さん。こちらが、真野 浅姫さん。」

紹介されて頭を下げる。

「浅姫、こっちは、見てわかると思うけど父と、母」

斗馬が私の顔を見てニッコリ笑った。

「は、初めまして。真野浅姫です」

緊張しながら、挨拶する。

斗馬の実家の和室。

向かいには、こちらの緊張した顔のお父様とお母様。

緊張しないわけがない。

テーブルの下でギュッて握った手には変な汗かいてる・・・。

そんな私を見て、斗馬が両親には見えないように、あたしの手を包むようにギュッて握ってくれる。

とっても、あったかいこの体温を感じると、私は安心できる・・。












































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