《短編》ヤンキーの姉2
「ああ……。うん、こっちこそよろしく」

そう言った英治くんの表情に、あたしはまた固まってしまう。


でも今度は怖さとか緊張からくる驚きの所為じゃない。

嬉しい驚きの所為。



睨むような眼差しが柔らかくなり、口元には笑みが浮かんでいる。

ふわっとした、人を安心させるような笑顔。


そうしていると義母そっくりだと思った。



そんな出会いをして、あたしたちは義姉弟になった。

このときはまさかセクハラしまくる奴だとは思っても見なかったけど……。



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