Sweet☆プリンセス
はぁー、こんな事ぜってーまおには悟られないようにしよ。


「いっくんの変態!」

まおなら顔を真っ赤にして言いそうだな。


そもそも。 まおは俺の気持ちに一切気付いていない。 こんなにもまおに優しくしてやっているのにさっ。

たまに“気付けよッ”と思いたくなるが、心の俺は“このまま”を望んでいる。 今の関係を壊したくないんだよな。


だってさ、まおが俺を意識しているだなんて到底思えない。 普通に近づいてくるし、人のベットに寝るわ…… 完璧に気を許している。

嬉しいような…… 悲しいような……。


――― ダダダッッ!


賑やかだな。 上の階からまおの走る音が聞こえる。


そんなに荷物って多いのか? あったとしても…… 今日使うパジャマに、明日の服位だろ。

それくらいなはずなのに…… 走り回るほどか?


女…… と言うより、まおはよく分からん。



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