支配者
「キミを…」

アオイはしばらく黙った。

「…ルナ、それ誰から聞いた?」

「クラスメート。詳しくは言わない」

「ふぅん…。まっ、察しはつくけどね」

そう言って肩を竦めた。

「支配者の地位ってのは、結構気持ち良いもんなんだよ」

「おサルの山の大将も、そういう気分なのね」

アオイの目がつり上がる。

「調子に乗るのも学生の内だけよ。社会に出たら、その自信は必ず打ち砕かれるわ」

「ハッキリ言うね。キミのそういうところ、好きだったんだけどな」

声が固まっていく。

だけどわたしは怯えない。
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