ローソ
二人は抱き合った。

「嘘ついたね」

「ん?」

孝介は香奈美の顔を覗き込んだ。


「あんた、逃げるっつった。」

香奈美の声がスーパーヒーロー・ローソの声に変わった。
孝介は異変にやっと気づき、香奈美から離れる。

「もう忘れたか?試練を?」

「お前っ」

ローソの声をした香奈美は孝介の唇に触れた。

「うっ」

孝介はいきなり呼吸ができなくなった。
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