【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
椅子に座る私を後ろから見下ろすようにして、秋月会長が立っていた。
教室の窓から差し込む淡い光に眼鏡が反射して、相変わらず表情は見えない。
私の声が聞こえない距離じゃないのに、秋月会長は何も返事をせずに踵を返した。
……私の呟きは無視ですか。
不本意ながらも、行動が気になってしまい、背中を凝視していると。
教室の扉のところで振り返った秋月会長に、軽く舌打ちをされた。
それまで静かだった友人たちから、唾をのみこむ音が聞こえる。
誰もかれもが、秋月会長の出現により、突如として重苦しくされた雰囲気に飲まれてた。
そして舌打ちは多分私に対してなんだろうけど、まるっきり心辺りがない。
明らかに私を睨んでるオーラだけれども、私、何もしてないと思うんだけど……
そもそも、ほぼ初対面みたいなもんだし。
昨日までは喋ったこともなかった。
私は秋月会長を生徒会長だから知ってるけど、向こうは私を知らなかったと思う。
だから何で睨まれなきゃならないのか、全くわからない。