【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ


休み時間はサキの事で友人たちに囲まれるかと思ってたのに、

拍子抜けするくらい何もなかった。


ちらちらとこちらを見ては、ひそひそと話しているのが視界の端に見えたけど、

立ち上がってそちらへ行こうとすると、言い訳めいた言葉を各々もごもごと口にし、さぁっとどこかへ行ってしまう。


どうやら漏れ聞こえた断片を繋ぎ合わせると、

『崎谷さんと仲良し』

『生徒会長と揉めている』

などと、つまりは三角関係みたいになってるんじゃないかと、

そういう思考回路のもとでの行動らしい。



しかも『崎谷さんからのとばっちりはゴメン』だの、

『何されるかわかんない』だの、

明らかに助けを求めた目をしていたであろう私を置いて、そそくさと移動したときにサキに睨まれたのが、よほど恐ろしかったようだ。


気まずさを感じながらも、

どこかホッとする私がいて。


そんな状態のまま、放課後になった。


< 83 / 299 >

この作品をシェア

pagetop