未来のない優しさ



疲れているとわかっていても止められなかった。

『結婚できない』

そうはっきりと告げられた時、一瞬それが柚の願いなら受け入れようと思ったけれど。

俺の手を握る柚の手が震えている事に気づいた途端、その場に柚を押し倒して抱いた。

途中、俺の激しさに気を失った柚をベッドに運び…意識が戻るのを待って何度も柚の体に俺の体を沈めた。

その度に

『結婚するからな』

とつぶやく俺の言葉に悲しく笑いながらも、必死でしがみついてくる柚が愛しくて愛しくて…。

再会してから二年もどうして抱かなかったんだろうと、悔やむ気持ちでいっぱいになった。

『俺は離れないぞ』

もう二度と…高校生だったあの頃みたいに簡単に離れるもんか…。
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