未来のない優しさ
助手席に落ち着いて、ホッと一息。
駅からマンションまでの歩いて10分ほどの距離だけど、今日みたいに疲れた日には面倒くさい。

他人にはわからない程度だけど、歩く事にちょっとハンディのある私には特に。

「いい時に帰ってきて、本当ラッキー。ありがとね」

「…今日も仕事か?」

視線は前に向けたままで、興味なさそうな声で聞いてくる野崎くんを見ると

「…うん。トラブル対応で召集されちゃって。…野崎くんも仕事?なんだか弁護士には見えない明るいネクタイつけてるけど…」

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