未来のない優しさ
部屋に戻ると、まだ健吾は帰っていなくて。
二人でいる事に慣れていた最近の甘い時間を実感してしまう。
婚姻届を書いたせいか、一緒に過ごす事への抵抗…。
ほんの少しだけど残っていたためらいが薄れていった。

反対に少しずつでも、健吾の側にいる自信が増えてるようにも思えて。

妙に顔の筋肉が緩んでくる。

鞄をソファの上に置いて
すぐにでも休みたがってる体をひきずって。

「お風呂入ろう…」

一人きりでお風呂に入るのも久しぶりかもしれない。
疲れのせいで、たまに目眩がする私を心配して

『一緒に入る』

と言って無理矢理入ってくる健吾に守られてる毎日に気付いて、更に温かい気持ちになる…。

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