恋するために生まれた
「おはよー」

翌朝
教室に入るといつものように
里美が真っ先に声をかけてきた。




「おはよ」

「ねぇねぇ今日帰り理香たちと
 カラオケ行かない?」

「カラオケ?」




理香はクラスで
ひときわ目立つ子だ。

成績もよくて、美人。

ただ厚化粧なのが玉にキズ、と
あたしは思うのだけど。




「そう!実は合コンなの」

「合コン?!」

「人数足りなくてさぁ。
 お願いっ!」

「うーん…」



今日は雨じゃない。


ツバサの顔が
頭に浮かんだ。

約束したわけじゃないのに。



「ユウ、
 合コン行ったことないって
 言ってたじゃん?」

「うん…」

「社会勉強だと思って!ね?」





ツバサは
今日も屋上に来る気がした。

なんでかわからないけど
そんな気がする。




「あたしはやめとく」

「え〜?なんか予定あんの?」




あたしは
ちょっと考えて
こう言った。






「ごめん。
 今日は約束があるの」




――約束。

この言葉は
あんまり好きじゃなかった。


でも
あたしは今
ごく自然にこの言葉を
受け入れている。
< 18 / 72 >

この作品をシェア

pagetop