ジュリエットに愛の花束を。
【第四章】

謎のまま



お兄ちゃんには相談しない事にした。


きっと、お兄ちゃんにとって、こんないい情報はないだろうし。

別れればいいくらいに思われてるのも分かってるから、だから絶対に言わない。


なんかここにきて邪魔が多いけど、まぁ、そんな時期なんだって無理矢理気持ちを押し込めた。

これからラスボス並みの相手と戦わなくちゃなのに、凹んでる時間なんてないし。

口には自信があるんだから、いっぱい言って泣かせるくらいの覚悟で……。

いや、でも泣かせるのは後味悪いけど。


まぁ、でも。頑張んなくちゃ。

どうせなら奪い合われるお姫様役のがよかったけど、あたしの性格からしたらこっちのがあってるかもだし。

王子は、あたしが守るって感じで。


こないだ、樹と電話してた時、バルコニーから王子を見下ろすお姫様の話をしたけど。

それって、ありえないって思ったし。


あたしだったら、どうにかして王子と同じ視線に立つと思うから。


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