ジュリエットに愛の花束を。


「確かに樹は変な男だけど。

あたしの可愛げない態度に二年も付き合えるなんてすごいよね」


笑いながら言った言葉に、樹は満足げに微笑んで。

そして、不意に立ち上がるとベッドに片膝を乗せてあたしに近づいた。


「俺ぐらいだろうな。

……瑞希に付き合える心の広い男は」

「樹の細かい性格に付き合える女だって、あたしぐらいだけどね」


ぎりぎりまで縮まった距離で言うと、樹はふっと笑みを零して……あたしも、浮かべた笑みをそのままにキスを交わす。


「……、ん、…っ」


深まるキスに目を閉じると、そのままベッドに押し倒される。

樹の手が服を脱がしている事に気付いても、抵抗しなかった。



< 14 / 355 >

この作品をシェア

pagetop