ジュリエットに愛の花束を。
「瑞希。……じゃあ、本当に本気でこの男が好きなんだな?」
「この男って言わないでってば。……好きだよ」
「椎名。おまえも本気で瑞希の事を想ってるんだな? ……傷つけるような事、しないって約束できるか?」
樹に向けられた言葉に、樹は真剣な顔をしてお兄ちゃんを見た。
「はい。約束します」
そうきっぱりと答えた樹に、お兄ちゃんは少しだけ黙って。
そして、樹に頭を下げる。
「瑞希は、傷つく事に弱くて泣き虫のくせに、素直じゃない奴で……可愛げがないと思う。
それでも……俺の大切な妹なんだ。
頼むから、大切にしてやってくれ……」
「はい」
今まであんなに毛嫌いしてた樹に、あたしのために頭を下げるお兄ちゃんに、胸が熱くなる。
そんなお兄ちゃんの気持ちを正面から受け止めて頷く樹に、胸が苦しくなる。
お兄ちゃんと、樹。
2人して真剣な顔をして頭を下げあってて……日常とはかけ離れすぎている光景に我慢できずに口を開く。