君の首飾り
何げない仕草にいつしか僕は引かれていった
いつもの正門通りで
君の帰りを意味もなく
待ち合わせ
ただいつも君の姿を待つ
ごめんね
僕は君の はにかんだ笑顔が見たくて
毎日ちゃらけて見せ そして
君の気を引こうとしていた
ごめんね
気づかなかったろうけど
君のしている鍵型の銀の首飾りさえも
いまは愛しく思う 本当だよ
からかってなんかいないよ
遠く聞こえる正門の閉まる音さえ
僕にはたまらなく寂しく思う
でもこれが 僕が君を見る最後だろう
ごめんね
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