私vs国連 〜悲劇の世紀末救世主伝説〜


ややあって、統合作戦本部長が、重々しく口を開いた。


「奴の前では、いかなる兵器もその効果を発揮出来ません。かくなる上は……………やはり、最終手段に訴えるしか、手はありますまい………。」


その言葉に、執務室の中の空気は、まるで重力を増したようにさえ思えた。


誰も、反対意見を述べる者はなかった。


主席秘書官・アッテンボローは覚悟を決め、大統領に向き直った。


「大統領………どうかご決断を。」


「……Yo、Yo、それってYo?

使うって事ね、核弾頭をYo?

自国の中で使うってのはYo?

デンジャーって気がしてYo?

んでも行くの?使うのかYo?

行けよ、限りなき未来へYo!」


アッテンボローはもはや溜め息を隠そうとはしなかった。


大統領のデスクにある「緊急・核弾頭デリバリーセンター直通」と受話器に書かれた黒電話を取り、しばし待った。




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