【禁断の恋】赤い嘘【完】
プロローグ
「…んっ……あぁ………」

夜中の三時、人々が寝静まった頃隣の部屋から聞こえてくる悩ましい声に思わず耳を塞いだ。


始めは微かにしか聞こえなかった喘ぎ声は、徐々に激しさを増し私を奈落の底へと突き落とす。


喘ぎ声と共に軋むベッドの音が妙に生々しい。 


「星矢……―――!」


昇り詰めたであろう女が声を上げた瞬間、私は耐え切れず布団の中でギュッと目をつぶり両手で耳を塞いだ。

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