フタリの事情。
絶対そうだ。

そうに決まってるよ。


俺にファンクラブなんざ、あるわけねーじゃん!!

……ヘタレなのに。



「違うよ、ホントにあるんだよ?
ほら、サッカー部の練習!
いつも見に来てる女の子とかいっぱいいるでしょ?」


「練習見に来てる子は確かにいるけど……
それ、俺目当てじゃないって。
ウチのサッカー部、なんてーか、カッコいいヤツ多いし」



そういや、四月のマネージャー募集は、すさまじかったよなぁ。

二人しか募集してねーのに、部員より多い入部希望が来たくらいだし。


おかげで選定すんのも大変だった……




「ねぇ聞いてる?
だから、その一人にてっちゃんがいるんだってば」


回想にふけってた俺を呼び戻したりぃの、なんだか必死な声。


……りぃ?

なんでそんなに、真剣なんだ?



「あーわかったって。
でも別に、それとは関係なくガッコは楽しいよ?」



ワタルっていう友達もいるし。

一年も待ってやっと、りぃと同じ高校に通えてるんだから。


俺だって、そこは一緒なんだ。

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