フタリの事情。
「りぃ?」


な、何のこと……言ってんの?

さっぱりだ。



俯いたりぃは、俺が貸したパーカーの袖を両手ともぎゅっと握ってる。

結局、あれからずっとりぃは着たままだったんだけど。


すげー思いつめてるような表情が、ちょっと痛々しい。

怒ってるようにも、泣きそうなようにも見えて……



「こんな風に服とか、簡単に貸しちゃったりするの?
たとえば……他の女の子とかにも……」


「はぁ……?
俺が服貸したことあるのは、りぃだけだよ?」


「ほんと?
今まで、わたしだけ?」


「ホントだよ。
何でんなことで嘘つかなきゃなんねーんだよ。
大体嘘ついたって、お前にはすぐバレるじゃん」


「そうだよね……」



また俯いてる。


なんなんだ、一体。

どうなってんの??


俺の今の返答は、お前にそんな顔させるような内容だった?

わっかんねー……

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