フタリの事情。
ていうかここ、昼休みの教室!!


誰が聞いてるか分かんないってのに、


「そういう言葉、白昼堂々と口にするなよ~」


一人おろおろしながら周りに視線を走らせた俺に、ワタルはそれはもう爽やかに微笑んだ。



「じゃあ接吻でいい?」


「せっぷ……て!
そういう問題じゃなくてっ」


「ったく、キスくらいで動揺しないの。
テツタはイマドキ純情すぎだよ?」


んなこと言われたって。


仕方ねーじゃんか……

俺はお前に話してるだけでもなぁ、最上級にハズイんだぞ!



「ま、そこがテツタのいいトコでもあるけどさ。
ほどほどにね?
明治とか大正時代の人間じゃないんだから」


ちょ、それって……

ほめてんのか、けなしてんのかー?


どっちだよ。


「ワタル、そのフォローは微妙すぎるぞ……」


「フォローじゃないよ。
思ってること、そのまんま言ってるだけ」


それはそれで、微妙なんだけど!

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