フタリの事情。
驚いて口をポカンと開けた俺に、


「てっちゃん、窓際の席でしょ?
前から4番目!」


「そうだけど?
俺、りぃにんなこと話したっけ?」


つーか、クジ引きで席替えしたの、つい最近だぞ。

ちなみに後ろはワタルで、いい席あたったって二人で喜んだのは、昨日のことみたいに思い出せる。


「ううん。
グラウンドからね、よーく見えるんだ」


「?」


「てっちゃんの授業が数学と古典の時、わたしは体育なんだー。
それでね……ふふっ」


クスクス笑いながらのネタばらし。

思わず、片手で顔を半分覆った。



俺、寝てるトコりぃにバッチリ見られてたわけ?

うわ、マジかよ~~……


ちょっと――

いや、かなり恥ずかしいぞ……



そういや、たまに窓の外から楽しげな女の子の声なんかが聞こえてきたような、聞こえてないような。

曖昧な言い方するのは、うつらうつらしてて、俺も記憶が定かじゃないから。


……そっか、あれ、りぃのクラスだったのか。

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