フタリの事情。
*おすそわけ
「おばちゃん、ダブルチョコチップメロンとビッグ焼きそばロールと、ミックスサンドと、あと照り焼きとチーズバーガー、一個ずつお願い」


「はいよ~」



――昼休みの購買。


少し早く授業が終わったおかげで、混む前にパンを楽々ゲット。

プラス、種類も豊富なうちに選び放題で、なかなかラッキーだ。



一人分にしちゃ量が多いのは、部活前の腹ごしらえ用も買ってるからで。

言っとくけど、これ全部一気に平らげるわけじゃないぞ。




両手にパンを抱えながら教室に戻る途中で、


あれ……セナちゃん?


きょろきょろ辺りを見回してるセナちゃんを見つけた。


探し物でもしてんのか?


「セナちゃん?
こんなトコでどうしたの?」


「――っ……
せ、関谷先輩……」


笑顔の前に一瞬だけ確かに見えた、きまりの悪そうな表情。

なんだか、違和感が生まれて。


セナちゃん……?


「あ……ちょっと……
コンタクト落としちゃって、探してたんです」

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