お家に帰ろう。
その夜―――――

明の部屋のドアがノックされた。


「なぁに?」


ドアが開き入ってきたのは遥。


「ね。お母さんには」

「わかってるって!」

「…」

「?」

「どう?」

「…それが聞きたかったんだ?」

「けっこうイケてるでしょ?!」

「んー。まあまあかな。あたしのタイプじゃないから。」

「あんたのタイプは聞いてないの!」

「ぶー…。でも、お母さんも嫌いじゃないんじゃない?」

「そーかな!?」

「責任はもてないけど。」

「気に入ってもらえれば、もう少し門限だってさぁ…って思わない?」

「受験生が何言っちゃってんの?」

「言っとくけど、私は内進できる自信あるから!そのために附属に行ってるの!頑張ったの!あんたみたいに、考え無しじゃないんですぅ。」

「別にあたし、大学イカナイし!ちゃんと考えることだってありますぅ!」

「アマイ!今まで、何かとウマくいってたかもしれないけど、この先は違うって!」

「なにそれ。姉みたいなこと言ってる。」

「ふん!そーやってバカにしてれば!イタイ目にあったって、私のことじゃないしい〜!じゃ〜ね〜。」


決して仲が悪い訳ではないのだが、
仲良し姉妹でもなかった


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