彼岸花の咲く頃に
そろそろ子供達が家に帰り、晩御飯の支度が始まっている時間だろうか。

遠くに見える民家にも明かりがついている。

家族団欒。

田舎のここら一帯は、今でも晩御飯は家族全員揃って、というのが当たり前だ。

娯楽の少ない土地だから、子供もいつまでも外をうろついたりという事もない。

つまらない土地。

退屈な土地。

だけど平穏な土地。

都会のように毎日のように犯罪が起きる事もないし、戸締まりを忘れて寝てしまっても問題ないくらい、他人同士が信頼できる土地でもあった。

…まぁ、かと言って鍵もかけずに寝ると、野猿が入ってきたりするのだが。

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