足跡帳~うずたまの小部屋~
何故かというと、これ、剣も魔法もない、純粋に「知恵」を武器にした商人の商売のお話なのです。

私はRPGで職業を選ぶ時、「商人」、「盗賊」、「詩人」といった、戦力の低い職業を必ず選んでしまうくらい特殊職業が大好き。

そんな私はファンタジーを書くとき、これらの職業を主役にして書きたいと思います。

つまり、自分が書こうと思ってたどんぴしゃな作品だったわけですね。「狼と香辛料」

しかし、剣士や魔法使いと違って、これらの職業を主役にするのは大変難しい。

まず、華がない。見せ場のシーンが何のシーンになるかというと、商人なら「商談」や「物売り」となり、ヒジョーに地味なのです。戦闘シーンに重きを置くことができないのです。

そしてこれが一番難しいのですが・・・ストーリー作りにかなりの知恵を絞る必要があります。

以前盗賊を主役にしたファンタジーを書いたとき思い知りました。

これらの職業の武器はなにかというと、それは「知恵」。

だから作者にも、相応の知恵が要求されるのです。

プロット作りに一ヶ月、様々なことの調査に一ヶ月かかりました。

なので、私はこれらの職業を主役としたお話を書く人を、無条件に尊敬するのです。

憧れと羨望の眼差しをもって――
 
 
 
< 33 / 61 >

この作品をシェア

pagetop