秘密の誘惑
夕方になる頃に精神的に疲れを感じていた。


裕美はディーンとの事をとやかく言わない代わりに時折凝視する視線が怖かった。



裕美が席を離れると肩を撫で下ろし緊張を解きほぐすかのように首を回す。



ディーンのバカ・・・。



恨み言を言ってみたくなる。


裕美が席を離れた時、内線が鳴った。



「はい 支社長室です」


少しよそ行きの声を出す。


『萌、絵美よ』


内線の相手は絵美だった。


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