秘密の誘惑
会場に入るとディーンは専務に呼ばれて行ってしまった。


お料理は最高のフランス料理、ワインも最高級のものがふんだんに振舞われた。



ビュフェ式の食事でお腹を空かせた萌は食べたいと思っているのになかなか食べられなかった。



お客様と話が終わると次々に人が来るのだ。



「モエ!なんて素敵なんだ!」



惚れ惚れとした顔で近づいてきたのはマックス・リチャーズ。



彼は真っ白なタキシードを着ているが、スタイルが良く背も高いせいもあって良く似合っていた。



アメリカ一大手の繊維会社の御曹司ならば女性が放っておかないだろう。



彼はガールフレンドを連れて来ていた。



赤毛の派手な女性でスタイルは信じられないくらい良くて女でも見惚れてしまうような容姿をしていた。



あたしに近づいた彼の側にあの赤毛の女性はいなかった。



ぐるっと見回しても女性はいない。



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