秘密の誘惑
「マックス!」


萌の背後から甲高い女性の声がした。



「ダイアン」



マックスの声がうんざりした様子なのは気のせいなのだろうか。



「マックス、彼女は誰?」


マックスの横へ来ると腰に腕を回す。



「ミスター・ディーンの秘書のモエだよ」


適当に紹介されて萌は居心地が悪かった。


「ディーンね 相変わらず素敵な人 タマラも惜しい事をしたわね」



ダイアンはディーンの元妻タマラを通して知っていた。



モデル仲間で仲の良い友達だ。



「彼女は美人過ぎるからね 実業家の妻で納まるような人じゃない」



「ふふっ 私はどうかしら?実業家の妻も見事にこなして見せるけど?」



今にもマックスの腕にぶら下がりそうなダイアンに萌は内心呆れた。



しかもディーンの妻の話を耳にしてしまい平常心ではいられなくなる。



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