秘密の誘惑
「元妻が顔を見たくてやって来たのよ?もっと感じよく出来ないの?」


ディーンから少し離れるとやんわりとタマラが言う。



「元気そうだな?」



タマラは一歩下がった位置でディーンをじっくり眺めた。



やっぱりディーンは一番素敵な男。



タマラは現在、たっぷり甘やかしてくれるボーイフレンドはいるものの、ディーンに惹かれ、別れた事を後悔していた。



「・・・元気ではないわ 貴方が側にいてくれないから」



少し悲しげに微笑む。



「金か?慰謝料で払った金がもう底をついたのか?」



疲れているディーンは出て行って欲しい気持ちでいっぱいだった。



「酷いわっ!これでも私は一流のモデルなのよ?お金なんていくらでも入ってくるわ」



ディーンの取り付く島も無い様子にタマラは傷ついたように瞳を潤ませた。



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