秘密の誘惑
「萌、幸せそうだね」


千波が日菜から萌に視線を移し言う。



何気ない言葉なのだが、萌がホテルに泊まったのはきっと分かっているわけで・・・萌は恥ずかしくなって耳が熱くなるのが分かった。



きっと赤くなっているに違いない。


「ち、千波兄 おめでとう」


赤くなった顔を気にしないように言った。


「ありがとう」


30分ほど千波も会話に加わると2人は帰って行った。



2人を見送るとイスにもう一度座った。


日菜ちゃんと千波兄に赤ちゃんかぁ。


ふと、郁斗と愛を思い出した。


あの2人が結婚してからどの位経ったんだっけ・・・。


そんな事を考えていると目の前に誰かが立った。


萌は顔を上げた。


「貴方はっ!」


目の前に立った人物を見て萌は驚きの声を上げた。


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