秘密の誘惑
涙がおさまってくると、タマラのことを話しだす。


「・・・・・・そんな事があったんだ・・・・・・」


「もうどうして良いかわからないよ・・・・・・」


機内であの美しい人と2人っきり。



ディーンを放さないと決めたあの人は積極的にディーンを誘惑しようとするはず。



「でも不仲で離婚したんでしょ?萌がいるのにヨリを戻すなんて考えられないよ」



日菜が眉根を寄せる。



「でも・・・・・・あの人は自信があって美しくて、男の人なら誰でも求めるものを持っているの 彼女といたらやけぼっくりに火がついても不思議じゃない!・・・・っ!」



きりきりと胃が痛み、手で腹部を押さえる。



「萌っ!大丈夫?薬飲んでいないよね?水持ってくるから」



日菜が慌ただしく部屋を出て行った。



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