秘密の誘惑
* * * * * *



萌はディーンからの連絡を待ち、部屋にいるとベルボーイが現れた。



手には封筒を持っている。


一度受け取り誰からかを見ると、気持ちは落胆した。



「依頼主に返してください」



萌は首を横に振り封筒を拒んだ。



「ですが、」



「お願いします」



萌はそう言うとベルボーイの鼻先でドアを閉めた。



カーティスさんったら、本当にチケットを預けたのね。


ディーンは知っているの?ううん 知っていたらこんな事はしない。




時計を見ると追悼式の始まる8時までにはまだ時間がたっぷりある。



7時半に出れば十分間に合うだろう。



そう思うと睡魔が襲ってきた。



少しだけ眠ろう。



萌はふかふかのベッドに横になった。



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