秘密の誘惑

幸せ

「これは・・・・・・素晴らしい」


活け終わった花を見てキャメロンが感嘆の声を上げた。



「ありがとうございます　萌様　お客様に見苦しい所見られずに済みました」



胸から小切手帳を取り出し金額を書いて萌にうやうやしく差し出した。



「これは受け取れません」



萌は大きく首を振る。



「それでは私どもの気持ちがおさまりません」



キャメロンはなおも萌に小切手を渡そうとする。



困った萌はディーンに助けを求めるように見上げた。



ディーンは萌に微笑むとキャメロンから小切手を取り上げた。



「これは小児病院にでも渡してくれないか？」



そう言ってキャメロンの胸ポケットに小切手をすっと忍ばせた。



そこまで言われてしまうとキャメロンは納得し深々と頭を下げた。



「またのお越しをお待ち申し上げています」



キャメロンや他のホテルスタッフに見送られ２人はリムジンに乗り込んだ。




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