石垣の上に立って

社会のルール?


「ここよ。応接室に行って話を聞くの。」


「うん。……」




応接室に入ると、ちらほらと机で仕事をこなす人がいた。




「えっと………」



母に話しかけてきた人が………その人?



「どうかなさいました?」


スーツにスリッパ。
見た目は冴えない感じ……。



彼は事務員のようだ。



「専務の方は……?」


「あぁ。専務ですか。ちょっとお待ち下さい。」



事務員さんはとなりの部屋へ呼びに行った。



「専務!お客様です。」



しばらくして、戻ってきた専務の印象は思ったより違っていた。



「こんにちは!はじめまして。佐藤です。よろしくお願いします。」



「はい……。」



男の人だと思いこんでいた専務は、女性だった。



しかも、美人だ……。



「この子が……?」


「そうです。」


母に私のことを聞いて一通り話すと、専務の佐藤さんは問いただした。


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