3人の想い
え、タカ先輩、みんなの前でキスするつもり?


私はびっくりしてドキドキしたけど、美雪先輩は動じない。


「あら、そう。ゲレンデであっちこっちよそ見ばかりしてたのは誰だったっけ?」


「それは、目の保養ってやつだ。
ゲレンデには私を見てって言わんばかりの女が五万といるんだから、不可抗力だろ」


「よく言うわ。
あなたのお眼鏡にかなう女は、そうそういないんでしょ。
私だけ見てればいいのよ」


ククク……


なんだか、タカ先輩と美雪先輩のやり取り、すごく面白い。


どっちも一歩も引かないところがカッコいいし。


この二人、案外お似合いなのかも。


「おもしれーだろ?」


タカ先輩に言われ、また叱られるのかと思わず首をすくめると、意外にもタカ先輩は柔らかい表情だった。
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