3人の想い
「そうか。そう、そのみのり。
こいつ、すっかり手なずけてるくせに、最後の一歩を躊躇しててさ。
見ててイライラすんだよ」


タカ先輩は眉間にしわを寄せてそう言った。


しかし、リョウ先輩はどこ吹く風、という感じ。


「大きなお世話。
俺はゆっくりやるからいいの。
ほっといてよ」


タカ先輩はリョウ先輩の態度にカチンと来たようで、更に言い募った。


「何言ってんだよ。
誰のおかげで今うまくいってると思ってんだ?」


「別にタカに世話してもらってなんか……」


「おーおー、言うねえ。
じゃあ言わせてもらうが、おまえ、みのりに無視されてた理由わかってんのかよ?」


「え?無視って、みのりの中間試験が終わった後のこと?」


「そ」
< 8 / 50 >

この作品をシェア

pagetop