時雨の花
幼い日
とある町のとある所のとある劇場。

比較的新しい内装は悪くいえば、歴史が浅いことを意味している。

客はといえば団員の身内らしき母・父親の年齢層が大半を占めていて、あとはよほど暇をもてあました老婦人くらいだった。

退屈だなぁ

座席に座って、まだ床につかない足を少女はぶらぶらさせてため息をついた。

歳は小学生になるか、ならないかの位。

彼女は横で騒ぐ母を盗み見た。



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