あなたじゃなきゃダメ...

新居に来て初めてご飯を作った。

いつもたろうに作る時は

冷めても食べれる物だった。

だからたろうはラーメンが

食べたいとリクエストしてきた。

インスタントが嫌いな私は

スープから作って

たろうと一緒に食べた。

「なな、ラーメン屋開けんで」

そう言って嬉しそうに食べてくれた。

ごちそうさまをして

少しのんびりしていると

「明日からまた仕事やから

俺は帰らなあかん。

なな寂しくないか?

ちゃんと1人で寝れるか?

俺はそれが心配や」

たろうは私の心配をしてくれた。

「大丈夫。

1人でも寝れるよ。

ありがとう」

たろうが帰った後の部屋は

とても静かだった。

なかなか慣れなかった。

普段は見ないテレビを

ずっと付けていた。
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