白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~



「お待たせしましたぁ」



真っ白な大きなお皿の真ん中に綺麗な黄色の卵焼き。


不器用な先生が書いたケチャップのハート。


焼きたてのトーストの上には、ハムとチーズが乗っていた。



冷えたアイスコーヒーに、少しミルクを注ぐ。




「直、お誕生日おめでとう!!」



「ありがとう!朝から幸せ~」



「だろ?今日のモーニングは、グアムの朝食をイメージしてみた。俺達が食べるはずだったルームサービスの朝食」




あぁ、本当だ。


本当に、こんな感じだったんだろうと思う。



楽しみにしていたのに突然の帰国で食べることができなかった。


食べたかったねって何度も言っていた朝食。






「シェフの腕は負けてるけどな」



照れくさそうに笑った先生は、また私をドキドキさせてくれた。



「美味しいよ!世界一美味しい!」


「愛情がたっぷりだからな」


もう、先生ったら。



朝から照れるような言葉をたくさんくれるんだから。







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