彼氏
直接は渡せないし、
渡す時がない。
今は部活の時しか接点ないし、
仮に渡せてもつけてもらえないだろうな。


考えると暗くなる。

けど、吏玖のことを想って作ったミサンガだから簡単に捨てれない。



渡そう…


次の朝はいつもより1時間早く学校に行った。


直接は渡せないから、体育科の吏玖のげた箱にミサンガを置くためだ。


学校には朝練がある生徒以外来ていない。

静かな校舎を歩きながらドキドキが止まらなかった。


不安感でいっぱいで、置くって決めてからも迷ってる私がいたから。


吏玖のげた箱に着いた。


普段来ることのない体育科棟のげた箱…吏玖の名前を探すのに時間がかかった。

吏玖のげた箱の奥にミサンガの入った封筒を忍ばせ、私は走った。


気分は、ラブレターを好きな人のげた箱に置いて、返事を待つドキドキ感に蝕まれてる女の子って感じだった。
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