恋愛勝負 ~Love★Game~



「ほんじゃ俺は行くかな」




ドアの方へ歩いていく会長の背中。

何よりも優しい背中だった。




「あのッ!!」


「…ん?」




呼び止める声に反応してゆっくりと振り向いた。




「ありがとう、ございましたっ…かいちょ…」



言いかけてやめた。

首を軽く振ってから言いかけた名前を呼んだ。





「…慧、先輩」




なんか悔しい感じもするけど…

来てくれてすごく安心した。




「おおきに、奈緒。」



「…っ」





その笑顔があんまりにも優しくて、思わず声を失った。

歩いていく背中をあたしはぼんやりと見つめていた。



< 195 / 346 >

この作品をシェア

pagetop