恋愛勝負
~Love★Game~
「ほんじゃ俺は行くかな」
ドアの方へ歩いていく会長の背中。
何よりも優しい背中だった。
「あのッ!!」
「…ん?」
呼び止める声に反応してゆっくりと振り向いた。
「ありがとう、ございましたっ…かいちょ…」
言いかけてやめた。
首を軽く振ってから言いかけた名前を呼んだ。
「…慧、先輩」
なんか悔しい感じもするけど…
来てくれてすごく安心した。
「おおきに、奈緒。」
「…っ」
その笑顔があんまりにも優しくて、思わず声を失った。
歩いていく背中をあたしはぼんやりと見つめていた。