冬恋物語-Winter love-

・ハッピーノエル






□■□■


元はと言えば、


お兄ちゃんがあんな馬鹿な友達を作ったのがいけなかったんだ。



「あーっ!乃絵留(のえる)ちゃんだよね!?

オレ、仲原 三汰(なかはら さんた)。イケメンだろ?」



あれはたしか、中1のクリスマスイブのことだった。


私はお母さんに頼まれ、


クリスマスパーティー兼


私とお兄ちゃんの誕生日パーティーの買い出しから帰ろうとしていたところだった。


「……サンタ…さん?」


ふと頭の中に、あの赤と白のおじさんが浮かんだ。


「そうそう、オレ三汰!聖夜(せいや)の親友」


聖夜とは、私のお兄ちゃんのことだ。


今日はお兄ちゃんの誕生日。


クリスマスイブに生まれたから、名前は聖夜。


そして、私の誕生日は明日。


つまり、クリスマスが誕生日。


ノエルはフランス語でクリスマスという意味らしい。


だから私の名前は乃絵留。


そして、お兄ちゃんの親友はサンタ。


……冗談じゃない。


「荷物重いだろ?持ってやるよ」


そう言ってサンタさんは、私の手から買い物袋を取った。


「いっ、いいです。持てます!」


取り返そうとしたものの、結局サンタさんは家まで荷物を運んでくれたのだ。





これが私と先輩の出会い。


4年前のことだ。


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